地域の方が「来たい」イベントに つばさ静岡
生活支援員 片山史哉
平成29年9月24日「フェスタつばさ2017」を開催致しました。フェスタつばさは「地域と交流し、重症心身障害を知ってもらう」というコンセプトで毎年開催しています。
今年のフェスタつばさではコンセプト実現のため、徹底して集客に力を入れました。広報活動では、広告の作成から、地域への働きかけ、SNSを利用した拡散と手を尽くして参りました。当日は外部から14店舗ものテナント出店にご協力頂きました。イベントのオープニングでは、静岡を拠点に活動しているミュージカルパフォーマンスドール『cheer up』様に出演して頂き、会場内では大道芸で活躍している『クラウン』様がバルーンアートで盛り上げてくれました。お蔭様で大盛況のうちに終えることができました。フェスタつばさは私たち職員や利用者、家族だけでは成り立ちません。出店、出演してくださった方や駐車場を貸してくださる近隣の福祉施設や医療機関、告知をしてくださった新聞社の方、皆様の協力に深く感謝申し上げます。
交流と発信「やめない」
このフレーズは7月に静岡新聞に相模原障害者殺傷事件から1年として「つばさ静岡」が特集された記事のタイトルです。あの頃と何が変わったのでしょうか。また、何か変えたのでしょうか。行動したでしょうか。フェスタつばさとは「地域と交流し、重症心身障害を知ってもらう」というコンセプトで毎年開催しています。私は今年初めて委員に選出され、このコンセプトを突き詰めて行きたいと考えました。コンセプト実現のために必要なこと二つあり、一つは徹底した集客。もう一つは職員、保護者、利用者の意識改革でした。例年私個人のイメージでは地域の方の入場は極わずかで職員や利用者の家族や関係者がほとんどでした。その理由は①存在を知らない②興味がない③入りづらいが挙げられるのではないかと考えました。そのため、一般のお客さんに興味を持ってもらえるよう、地域のお店を中心にテナント出店をお願いしました。当日は計8店舗の出店協力があり、中には大手ドーナツショップやチェーン展開しているたこ焼き屋等も出店に名乗りを上げてくれました。告知にも力を入れ、職員だけでなく利用者さんと一緒に地域を回りポスターの掲示をお願いしに行きました。アットエス静岡に投稿し職員の任意でSNSの拡散をしました。小学校にも協力をしてもらい、福祉の授業の数分を借りて告知をする時間を頂きました。フェスタつばさは準備の段階から地域交流は始まっているのです。こうして地域の方々に知ってもらい、興味を持ってもらい、入りづらいイメージを払拭しました。
次に意識改革です。いままでは一般の集客が少なかった分、こちらの都合のいいように場所を使うことができました。しかし限られたスペースで集客を見込むのに、それを前提としていたらコンセプトは達成できません。職員はもちろん、通所利用者の保護者の方にもいつもより離れた駐車場に車を停めてもらいました。いままで通常の食事が食べられない利用者のためにテナントで販売しているものも加工して提供していましたが限りある職員数でコンセプトを達成するためにできませんでした。利用者、職員、保護者の皆さんには不便をかけたかもしれません。しかし、お客さんを迎え入れるという姿勢がないとフェスタつばさのコンセプトは達成されません。
当日は多くの地域の方に参加していただきました。出店していた飲食店ブースはお昼を待たずして完売する店舗が続出しました。なにより印象的だったのは地域の子どもたちが利用者と話をしていることです。ゾーン単位で利用者を探して印をもらうビンゴゲームをやりました。そういった動機付けでも地域の子どもたちが親と一緒になって利用者と触れ合っている姿を見て、やってよかったと感じました。私たちはこのフェスタつばさだけでなく住民との交流や情報発信を重視した運営を行い、共生社会の実現を求め続けることを継続して行っていくことが必要だと感じています。