施設長あいさつ 平成21年春

施設長 山倉慎二

「つばさ」静岡が開設して、はや3年半が経過しました。地域での認知度も徐々に高まり、ようやく空へ飛び立ち始めたというところでしょうか。振り返れば、あっという間の3年半でしたが、この間急激な社会環境の変化に翻弄され、非常に多くの課題に直面しながらのたいへん不安定な飛翔でした。なんとか墜落せずにやって来れたのは、多くの方々の暖かいご支援とご協力のおかげだと思っています。この場を借りて感謝を述べさせていただいと思います。本当にありがとうございました。
また、これからもよろしくお願いいたします。

この3年半の間に施設内では、入所された方々の重症度が次々と高まってきました。人工呼吸器装着者は4人増え、現在呼吸器が10台稼動しています。気管切開者も2名増えました。
また経管栄養者は5名増え、それと関連して9名の方が新たに胃瘻を増設されました。医療ケア者が増えたことに伴い、比較的軽度な医療ケアを必要とされる方をお預かりしている「つくしA」というグループを、施設南側の広い場所に引越し、定員も10名から16名に増やすことにしました。これを機会に施設全体の見直しをも行ったため、この4月からどのグループの方も慣れない落ち着かない日々を送らざるを得ない状況になってしまいました。たいへん申し訳なく思っていますが、時間と共に落ちつきを取り戻してくると思います。もうしばらくご辛抱ください。

社会環境では、平成18年10月に施行された障害者自立支援法が、当初から予定されていた見直しの時期に差し掛かっているため、再び大きな制度の改変を強いられそうです。 さらに児童福祉法の改正によって、「重症児施設は児者一貫」の精神があっけなく崩壊しようとしています。 18歳以上の重症心身障害者は新児童福祉法においては保護されなくなり、療養介護という自立支援法の制度下で生活していくことになります。

療養介護施設の対象者は重心の方だけではありません。 ただでさえ足りなくて困っている重症児施設の入所、通所、ショートステイの利用が益々狭き門になっていくことが必至です。

そして現在入所されている方が順調に年齢を重ねて行き、全員が18歳を超えたとき、その間に新たな児童の入所がなければ、「重症心身障害児施設」という名称は自然消滅します。 今後、新たな重症児施設の開設もありえないでしょう。 40年以上かけて築き上げてきた「重症心身障害児施設」という由緒ある歴史的財産をたった一つの法律の改正によってこれほどまでに簡単に失ってしまってよいのでしょうか。

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